えー、最近、なんだかギャルゲーとか言われるジャンルが大流行で、それを文化的に分析しているつもりの本がたくさん出ております。ギャルゲーの歴史を辿ると、どうしても無視できないのがPC-FXという文化。世間一般ではギャルゲー専門機とか言われちゃっているくらいアレな状況だったのだけど(まぁ、ヒット作Best5を上げたら、確実に全てギャルゲーだろう...) そこにはかなりの偏見とイヤラガセと悪意が満ちている評論が多い。

今回はそんな本の中から、特にPC-FXに付いてのウソがてんこ盛りでどうしようもない、腐れインチキ本を紹介すると共に、その数々のウソを暴いてやろうと思う。取り上げるのはずばり「ギャルゲー声優解体新書」(二見書房・1998/06/30発行)である。

えーっとこの本、最初の断り書きで「ギャルゲーファンがギャルゲーについて研究した」云々と書いておりますが、書いている連中は、ほとんどが業界人という、まぁ、いきなり嫌らしさを暴露しちゃっているダメ本です。で、中身をざーっと見る限り、まぁ、９割が宣伝で埋まっております。そーゆーわけだから、関係ないところはぼこぼこに叩けるわけです、いや、素晴らしいですね(苦笑

PC-FXに付いての文章は至る所に見られます。で、その中から、ウソその１。Ｐ５５の辺り。

（PC-FXで出たゲームについて）「なんか、プレステやサターンの方でグラフィックはつくり直して、よくなってるっぽいしなーっ」
「『Piaキャロット』とかもサターン版の方が絶対に出来が良さそうですしね」

いやはや、いきなりとんでもない言いぐさである。Piaキャロってホントにサターン移植版の方がいいんですか？ 僕、そんなことは、初めて聞きましたが(^^; PC-FXから他機種に移植されたギャルゲーって、ブルブレしかり、纏組しかり、PC-FX版の方が良かったという意見しか聞いたことがないのですが... つーかPiaキャロのPC-FX版って、HuneXが作っているんだよなぁ。SS版は違うような気がするんだけど... HuneX版よりまともに作れる会社なんて存在するのでしょうか？

はい、次です。Ｐ６６。

「ギャルゲーの占める割合は、現状では１割以下のはずです。もちろん、個別のハードでは差が出ます。PC-FXにいたっては百パーセントに近い勢いです」

...おい、いつからPC-FXのほとんどのゲームがギャルゲーになった？じゃぁニルゲンツはギャルゲーなのか？バトルヒートはギャルゲーなのか？アンジェリークはギャルゲーか？(爆笑 つーことで、PC-FX全６２作品の中で、どれくらいギャルゲーが占めているかを考えてみようではないか。とにかく、ギャルゲーになる物を、全部上げてみる。

卒業２・アニメフリークシリーズ・パチ夫くん・ときめきカードパラダイス・パワードール・銀河お嬢様伝説ユナ・スーパーリアル麻雀ＰＶ・ボイスパラダイス・お嬢様捜査網・天地無用・女神天国２・同級生２・チップちゃん・ブルブレ・きゃんバニ・纏組・ドラナイ４・スパークリングフェザー・Piaキャロ・続初恋物語・りとるキャッツ・ロルフィー・こみっくろーど・みにまむなのにっく・カクテルパック・ああっ女神さまっ・負けるな魔剣道Ｚ・てきぱき・ＦＫＳ

ということで、アニフリが６本ありますからそれを含めて計算すると、３４本。まぁ、確かに多いことは多いが、約５５％、とても１００％に近いだなんて言えない数字である。まったくもってこういうことを適当に書くのは不勉強としか言えず、なってなさすぎる。少なくとも商業出版で発行されるような本に書くのなら、それなりの勉強をしてから書くべきである。こーゆー奴らが、日本の文化レベルを下げているということは言うに及ばない。分かってるのか、南原順。

次はＰ７０。もう段々とつっこみ入れるのが疲れてきたけど、頑張っていこう(^^;

「それから、八曲目は『ちっぷちゃんきっく』。PC-FXのゲーム『ちっぷちゃんきっく』の歌で...」

なんでもギャルゲーの曲についていろいろ言っている辺りなんだけど、こいつ、チップちゃんをたぶん知らないだろう(苦笑 だいたい『ちっぷちゃんきっく』とは何事だ。『チップちゃんキィーック！』がゲームのタイトルだし、あの曲の曲名は『そんな気持ちはパパやママにはわからないの』だ。不勉強にもほどがある。ふざけるな。そんなインチキな記事でこのバカは原稿料を稼いでいるのかと思うと、世の中が悲しくなる。

次はＰ１４９...もういい加減にしてくれ...

「またシリーズ第２作『同級生２」は９５年２月にパソコン版を発売した後に、セガサターンとプレイステーション用に移植され、それぞれ発売されている」

PC-FXに移植されたのが最初の移植だろうが〜！つーか、全ての移植の大元がPC-FXだろ、そんなこともしらんで書いているのか！！

...とまぁ、大急ぎでざーっとあげたんだけど、まったく実にとんでもない本であることが分かったと思う。PC-FXに関することだけでこの状態だから、全般に渡ってどういう状態なのかは押して知るべしである。とにかく、買うな。見つけたら、燃やせ(苦笑

この文章については、書いているしゅうちゃんとしましては、ぜひぜひ執筆者の連中に読んでいただきたいと思っている(苦笑 これでキレて喧嘩を売ってくるのなら、喧嘩上等である。裁判でも何でも起こしてみてくれって感じだ。少なくとも著作権法上の引用の範囲内だからな(^^;;